倉庫の王様
俺ですら洗わせてくれないのに…。



なんかいい匂いになっちゃって…。



「毛玉は真央の方が好きなんだ…」

「このまま置いてってもいいぞ」



サチの父の気持ちがわかったような気がする…。



真央に我が子を取られた気分…。



連れて帰りたいけど毛玉的に真央んちにいたいわけ?



あっ…。



家に猛獣がいるから余計帰りたくないんでは?



「トーヤのせいだな…」

「マジで食われると思ってんじゃね?可哀相な毛玉…」

「毛玉はどっちにいたい?俺と帰るか?」



いや、連れて帰ろう。



なにがあっても毛玉はうちのコだ!!



「早くアイツ追い出すからな~」

「ニャ~!!」

「ありがとな真央」



真央には『連れて行くな』と言わんばかりの目で見つめられた。



相思相愛かよ…。



だけど連れて帰るんだ!!



『いつでも面倒見てやるからな』



なんて言われた。



早くトーヤを追い出そうと心に決めた瞬間。



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