なんでも屋 神…第一幕
「ちょっと神君、私の存在忘れてない?仕事になると周りが見えなくなるの、神君の悪い癖だよ!今日なんでも屋は休みでしょ。」



デスクの木目一点だけを見つめていた俺は、そっと顔を上げて、リスのように頬を膨らましている一葉を見た。



そうだな…デスクの上で幾ら考えても答えなんてでないしな。



「よし、じゃあ遊びに出かけるか。」



そう言って一葉と二人で事務所を出て、バイクを置いているショッピングセンターに向かった。



戻る途中、メインストリートではヒロがスカウトの仕事に精を出している。



そんなヒロを遠くから眺め、笑って通り過ぎてショッピングセンターに戻り、二人でバイクに跨った。



その時、遠くの方から俺の名前を呼ぶ声に気が付いて、後ろを振り返った。
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