WILD ONE ~キミに夢中~
ツーツーという無機質な音を聞きながら『まだあの嵐で誰がいいかって言い合いした事を怒ってるんだろうか……?いい加減にしつこくね?』と静かに逆切れしていた私の視界に長くてごつくて綺麗な手が現れた。

「誰?」

と携帯を指差すアッキー。

今朝は用事があるとかで遅刻して登校したらしいアッキー。

だから今日は初めて見る真っ赤。

「……母」

「ああ。……昨日、親父んトコにタキの母ちゃんから電話が入ったって。携帯が繋がらねぇけど何かあったのかって」

……そんな心配なら固定電話にかけりゃいい話じゃね?

どこまで強情なんだよ。

アッキーはフッと表情を緩めると

「“タキになんかあったら、只じゃおかねぇぞ!ソウリュウ、この野郎!様子見てこい!”ってえらい剣幕だったらしい」

……マユミさん。自分を棚に上げすぎ……。

マジ何様?

娘としてちょっと恥ずかしいよ……?


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