WILD ONE ~キミに夢中~
私は距離をとりながら、手当たり次第に物を真っ赤に投げつけていった。

どうせ私のモンじゃないし。

そして私が投げたシルバーの写真立て。

それが宙を舞った瞬間、真っ赤が視線を私から写真立てへずらした。

今だッ!

チャンスは今しかない!

左足を軸にして右足をヤツ目がけて投げ出した。

「うがッ!……痛ッ!」

ズドンッ──



悲鳴をあげたのは──


なぜか私。

真っ赤は私の右足をキャッチすると、そのままそれ上にあげ、結局私はしりもち。

写真立てはガチャンッという音をたてて床に落ちた。

クソッ。
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