WILD ONE ~キミに夢中~
「どどどどどうしたのッ!?」

これが私が終業式の朝、前の席に座る黄色改め青になっている中山にかけた第一声だった。

「あ?」

「それッ!」

窓の外に見えるブルーよりも鮮やかな青を指さすと、『ばれちゃったんだよ、あの賭けが』と中山は髪を撫でながら答えた。

あ……。

「今朝、これ見たさっちゃんが号泣よ?」

「……なんで?黄色が良かったの?」

「『人間っぽくない~』って」

「…………」

髪、黄色ん時も人類ってよりは、まだ類人猿の域だったんじゃ?とはさすがに言えないけど。

「晴海先輩がさぁ、黒田にばらしやがって。そんで昨日、黒田とマコに『ナンパしに行こうぜ?』とか言われて、ルンルンで付いて行ったらロープで締め上げられて……」

ぷ。想像しただけで笑える。中山には悪いけど。

「おかしいと思ったんだよな。アイツらが『ナンパしに行こう』なんて言ってくるハズないんだからよぉ……」
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