ＷＩＬＤ ＯＮＥ ～キミに夢中～

じゃ……私も部屋に戻るかな。

ふと視線を走らせるとアッキーはまだテレビを下から見ている。

フッ……。

やっぱ戻ろう。

変な事になる前に部屋へもどろ……。

「戻んの？」

片膝を立てた私を、アッキーが真顔で見ている。

な？

なんだよ？

そして少しの沈黙の後、本日一番の意味不明な言語がダークホースアッキーから発せられた。

「なぁ、俺と付き合ってくんない？タキって彼氏いる？」

「はい？」

「あ、オッケー？軽くオッケー？」

「そっちの『はい』じゃねぇ！これは意味が分からない場合の『はい？』だ！」

「あ、そう」

アッキーは起き上がって面白そうに笑う。

「彼氏いるのか？」

「い……いたらこんなド田舎に来るわけねぇだろ！」

ああ、なんて自虐的。