WILD ONE ~キミに夢中~
アッキーの居なくなった教室で、私の前の席に黄色改め中山が座り直し、横に銀色改め高藤が座る。

よく見れば2人とも朝から、顔に生々しく傷なんてつけていて。

凡人を威嚇するには十二分すぎる風貌とオーラが出ていて。

…………。

ぽつねん……。

てかこんな派手な2人に囲まれた離島に私ひとり。

どうりでこの窓際の特等席が空いていたわけだよ。

ここ、こいつら専用の席なわけだよ。

誰か教えてくれても良かったんじゃないのぉ?

転校初日のいたいけな乙女にあまりにもつれないじゃ~ん?

ぐるッと教室を見渡して気づく。

あれ?

視線が誰とも合わない……?

ああああああ!

しまったぁぁぁぁ!

完全に私このカラフル不良のグループに分類されちまっている……。

『あ~、やっぱり髪真っ赤だもんねぇ。そっちのグループだよね』って声が聞こえてきそうなクラスメートの表情。
< 51 / 245 >

この作品をシェア

pagetop