WILD ONE ~キミに夢中~
だから──

秋が深まって冬になる前に──

そろそろ私だってソウリュウの息子“ソウリュウ君”に出逢いたいわけで。

いや、ソウリュウ君は喧嘩が強いのだから真っ向勝負じゃなく

闇討ち……いやいや。

落とし穴で……いやいや。

まぁ、とにかくそんな事やこんな事を考えているのに……

なぜか出逢えない“ソウリュウ君”。

とりあえずは出逢いたいよなぁ……。

「──いッ、おいッ!アホ面してんじゃねぇ。行くぞ」

「ん?あッ──」

気がつけばアッキーが鞄を掴んでいる。

ヤバい。

乗り遅れるッ!三高行きのバイク便に。

私はご飯を急いでかきこむと、

「待って。待てってばぁ!」

鞄を掴んでアッキーを追いかけた。

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