WILD ONE ~キミに夢中~
なのに……

「ずっと……浦ヶ崎にいればいいんじゃね?」

たくあんポリポリ食べながら、アッキーがボソッと呟いた。

今、それを言うのはずるいと思う。

「……嫌だよ」

魚料理もぬか漬けもたくあんもホクホクの炊きたてご飯も。

私には似合わない。似合わないハズ。



『あん?』と新しいたくあんをくわえたアッキーが私を見据える。

名付けてアヒルアッキー。

黄色いくちばしが赤い髪にミスマッチ。

ポリポリポリポリ……。

「ここに居ればいい……」

なにアヒルで格好つけてんだか。

ポリポリポリポリ……。
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