ラストゲーム
「・・奈央?奈央なの?うっそー久しぶり。」




私は、満面の笑みで彼女に近づいた。




やれば出来るじゃん、私。



かなり自己嫌悪に陥っているが




「ちょっと・・奈央ってあの?」




姉が小声で耳打ちした。




「そう、あの。だから余計なこと喋るなよ。」




私は、姉を手で追っ払った。




「奈央ちゃん、元気でね。」



姉は、意味ありげな表情を浮かべその場を後にした。




「美佳、刑事になったんだ・・かっこいい。」




奈央は、自分の哀れな末路からかその表情は、複雑そうだ。




当然、私も
「今、何やってんの?」
なんて無神経な質問はしない。




「そんなことより、大丈夫なの?子供。」




私は、精一杯心配そうな顔を作った。




やさしい言葉に心を許したのか奈央は、深刻そうな表情で話始めた。




「いきなり、刺されてさ。でも犯人の顔は、見たんだ。」




暗い表情の奈央。




ここで押せば全て話すな




私は、そう思い芝居を続けた。




「私が必ず、捕まえるから、奈央はもう心配しないで」




奈央の手を掴み、握る。




心底、今の自分に寒気がするが仕方ない。



これも仕事だ。
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