Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「あっ……タケル」
スッと離れるダイスケさんの手。
タケルは人ごみを縫って、こっちに歩いてきた。
「遅いから心配したやんけ」
「ごめん。人が多いから、なかなか進まなくて」
あたしのそばまで来たタケルが、ちらっとダイスケさんの方に視線を向ける。
背が高いダイスケさんは、見下ろすように一瞬だけ目を合わせると、軽く肩をすくめた。
「じゃあ、はるかちゃん。また」
「あっ、はい。どうもありがとうございました」
会釈するあたしに背を向けて、あっさり行ってしまうダイスケさん。