Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~
「はるかっ、どないした!?」
うずくまったあたしの耳に、男の人の声が飛びこむ。
どないしたも何も、あたしの方が聞きたいってば!
と、しばらくパニックになっていると
ポン。と、やさしい手のひらが、あたしの右肩にのった。
指先からただよう、シャンプーのにおい。
「……タケル?」
おそるおそる顔を上げると、思った通りタケルだった。
恐怖のオーブンは、すでにスイッチが切られてる。
「ビビらすなや、お前。
叫び声聞こえたから強盗かと思ったやろ」
「……だって、だって~っ」
腰が抜けたあたしはタケルにしがみつきながら
そういえばさっき沙耶を見送ったとき、玄関の鍵をかけ忘れたと思い出した。