韓国人店長と私~強がった恋の小さな結末~
「朝ごはんどうぞ」
「あやちゃんありがとう!」
店が終わり、朝方コンビニで従業員の子達へ差し入れるべくおにぎりを買って戻った私を雅人はあやと呼ぶ。
それは、キャバクラで呼ばれている名前だ。
その声に私は少しだけ笑う。
あやでもゆいでも何でもいい。
私を本名で呼んでいいのはケンだけ。
人目も気にせずまた私へ口づける雅人の事を、止めることはしないまま、人形のようにただ受け入れる。
他の女の子がお金を出してやって来るホストクラブ。
その中の人に愛されているという優越感で少し心を満たしたかっただけ。