ブラッティ・エンジェル
「わたくしが、もう一度って言うのは、可能ですの?禁忌ではありませんの?」
わたくしも、本当は消えることはどうしようもなく恐かった。
 ユキゲは生きるけれども、その隣にわたくしがいられないことも、気がかりだった。
「可能です。しかし、多少時間はかかってしまう。いつになるかわかりません。
 ユキゲと再び会えるか、わかりませんが
 それでも、蘇りたいですか?」
卑怯だ。ここまできて、そんなこと聞くなんて。あなたが蘇らせるって言いましたのよ。
 あんな顔も、涙も見せられて…。
「わたくしは、ユキゲが生きてさえいれば幸せですわ。
 あと、ヒナガの願いも叶えたいですわ」
まさか、あのわたくしにこんな日が訪れるとは、思っていなかった。
 誰も信じられなかったあの時のわたくしに言いたいことがある。
 あなたは幸せ者ですわ。今もこの先も、きっとその前も。
「蘇らせていただけます?」
わたくしは、これ以上ないくらいの笑顔が出来たかも知れない。
 だって、わたくしの生きている世界はこんなにも幸せなんですもの。
 ヒナガも、とっても嬉しそうに微笑んだ。
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