ブラッティ・エンジェル
 「置いてきてよかったのかよ。」
「いいの。来るか来ないかは、彼が決めることよ。」
「だけどよ。」
「ユキゲ、うるさい。」
サヨは隣を飛んでいるユキゲを、ハエか何かのように手の甲ではらう。
 しかし、いつものようにユキゲは飛んでいかず、軽々飛んで避け、サヨの目の前に飛んできた。
 目の前に現れたせいで、サヨは急停止しなくてはいけなくなった。
「なに?」
サヨは苛立たしそうな顔をして、ユキゲをにらむ。
「サヨ、まさか」
「ユキゲは来なくていいよ」
サヨは、ユキゲの横を通り過ぎた。ユキゲの髪が風で跳ね上がる。
「サヨ!」
ユキゲが振り返ったときには、サヨはどこにもいなかった。
「くそ。」
ユキゲは悪態をついて、大急ぎで病院に向かった。
 あいつ、またやる気だ。寿命を延ばす気だ!
 あれは禁忌で、危険なのに!
「ぜって~、やんじゃねぇぞ!」
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