ブラッティ・エンジェル
「はぁ!?」
私は思わず手に持っていた自分の洗濯物をかごに投げ入れ、希の落としたシャツを引っ張った。
「これ汚いじゃん。どう見ても洗い直しでしょ」
「だってめんどくさいし」
「私が洗濯するよ」
汚いシャツが伸びてきた希の手に奪われないように、抱きしめるようにギュッと握った。
 その時、私はふと思い出した。
「なんで、希ここで干してるのさ!」
私は背中で干してる下着を隠した。
 希は気にしている素振りも見せないで、当たり前のように洗濯物をかけ始めた。
「だって、ここしか干すとこないし」
「そうだけど、一応私女じゃん、異性同士じゃん、いろいろと気にするんだけど」
「僕は気にしないけど」
「私が気にするんだけど…」
私のつぶやきは希の耳には届かなかったみたいだ。
 さすがに、これ以上言うのも図々しいと思い何も言わなかった。
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