ブラッティ・エンジェル
「ゆずってヤローもヒデェよな。ダチにこんな仕打ちしやがってよ」
「ゆずちゃんが本当はやりたかったんだけど、忙しいんだよ。それに、自分の昼休みを削って手伝いに来てるんだよ。疲れさせるわけにはいかないよ」
サヨもよくは知らないけど、ゆずはのティーン向けの雑誌で記事を書いているらしい。そこそこ売れっ子らしい。
「俺、思うんだけどよぉ。アイツ、なんか考えてやがるぜ」
「何かって、なにをさ。…あ~、きったな~い」
サヨは自分がホコリだらけなのを見て、悲鳴のような声をあげた。
 部屋はそこそこ片づいた。人の生活している空間になった。
 サヨは、せっかく片づけた部屋に、またホコリを落とすのは嫌で部屋を出てホコリを払うことにした。
「悪巧みにきまってんだろ」
「まっさか~」
服を叩くと、思った以上にホコリが舞い上がって、咳き込んだ。
 あぁ、前にこんな事、あったな。
 サヨは思わずあの日々を思いだし、口がほころぶ。
 ホコリがそこそこ落ちたから、店の手伝いのためにカウンターに向かった。
 ゆずとは、仲直りをした。そんなこと、あるはずない。
 サヨは、そう確信していた。

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