好き
運命
運命





『ねぇ−ユキ?』
小さな声で誰かが私を呼ぶ。

『ユキってば!!』
さっきまで小さかった声か゛急に大きくなって怒鳴られたように私の名前が呼ばれた



「ごめん!何?」
私はとっさに言葉を返した。
振り返ってみれば大きい声の正体は優奈(ゆうな)だった。

『ユキ!ちゃんとうちの話聞いてたぁ?』

「えぇっとー!何だったけ?(焦)」

『だからね!今日のカラオケだってば!!』

そうだった。10分前に優奈が私の後ろの席をかりて話に来たんだ。

話によると…
今日は松陽高校のサッカー部の4人の男子とカラオケパティーで優奈と他3人が行く予定だったのらしいが1人の女子が行けなくなったらしいから親友である、私が頼まれているわけだった。

『ねぇーだからお願い!一生のお願い!』

「ってそんなこと言われても… 男興味ないし…今はバスケ一筋だし お小遣いピンチだし」


『じゃお金はうちがおごるから 別に自己紹介して座っててくれるだけでいいカラー!』


「分かったよ! てか優奈!あたしにはもう優奈の一生のお願い使えないんだからね!」


『やった!さっすがユキ!んじゃまたあとから今日のカラオケパティーの事はメールで伝えるね!』


と言って優奈はうちの前から喜んで手をずっとふりながら自分の席についた。

「さってとあと一時間で授業も終わるしがんばるか」

って言いながら私も数学の準備をした。

これから苦しくなる運命が来るなんて知るよしもなく
< 1 / 7 >

この作品をシェア

pagetop