G i f t ~ギフト~
ふぁっぎゅっ


大観衆の前で彼に抱き締められた私・・・。


ちょー恥ずかしいんだけど。


ここで振り払ったらなんだか変だよね?


諦めて彼の背中に腕を回した私。


「愛してるよ」って優しく耳元で言った彼の吐息がくすぐったくて彼の胸で笑った私。


『しかし・・・派手だなぁ?こんな事しなくても良かったのに』


「皆に幸せお裾分け。一生忘れない日だろ?今日は」


『そうだね』


この日は絶対忘れない2人の記念日。


彼だけじゃなくて仲間も思い出せる記念日。


「ね。してもいい?我慢出来ない・・・」


はぁ?このシチュエーションで我慢出来ないって・・・まさか!!!


お願いだからそれだけは止めて。


止めて~~~~。


・・・・・・・。見世物に・・・・・・さらし者だこれ。


百歩譲って抱き合うのは許そう。


『ふざけないでね?マジ無理だから』


「ふっ」


鼻で笑ったな!!くぅぅぅぅ。


彼に胸から剥がされるわたくし。


ヤダって!!イヤだって!!


心で叫んでるだけです。


抵抗したらオカシイでしょ?


このシチュエーションで。


彼が私の心の声を聞いてくれるとは思わないけど。
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