オレんちの兄さん2



誕生日の翌日。


夕飯もそこそこにドラ○エ最新作を楽しんでいると、思ったより早く兄さんが帰ってきた。


「おかえりー」

ゲーム機から顔も上げずに声をかけると、


「ただいまー。ハイ、これ」

見慣れたショッピングセンターの紙袋が視界に入った。

オレはゲームを一時停止して、立ったままの兄さんを見上げる。


「何、これ?」

持ってみると、意外に重い。


「何、ってアサヒが欲しがってたものだよ」

「オレが欲しがってたもの?」

何のことだかさっぱり……。


「あぁ。開けてみて?」

そう促されて、オレは丁寧にラッピングされた包みを開いた。




「……あ」

出てきた箱に映っているのはフードプロセッサー。

その写真をじっと見つめていると、頭上から声が降ってくる。


「どんなのが良いかさすがにわからなかったから、お店で一番人気のやつにしたよ」


使いにくかったらごめんな、と言うとオレの頭をぽんぽんと叩いて、兄さんはキッチンに入っていった。

オレはしばらくそれを見つめて、まさかの追加プレゼントにジーンとしながらゲームを再開した。




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