-roop-

「もっ……さっきも泣いたのに……っ…」


--千夏--



そう呼ぶ声を思い出すだけで胸が締め付けられる。



嫌だ…嫌だ…忘れたくない…。


他には何もいらないから…ねぇ神様お願い……

消さないで

消さないで…

私の中からどうか…誠さんだけは……消してしまわないで……!











「千夏ーーーー!!」



え…?


「はぁっ…はぁっ…千夏ーーー!」





ギュッ…


「…誠…さ…ん……?」



嘘でしょ…


どうして…?

どうして…どうして貴方は今私を抱きしめているの…?




どうしてその名を…呼んでいるの…?

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