詩人のDNA

血統

私は五人家族の長男で

父は

酒を飲めば

私の目つきを理由に

よく殴打した

そんな酒を飲んだ朝

首を吊り死んでいた


弟は理想に溺れ

神にでもなったかのように語り

語り尽くした夜中に

首を吊り死んでいた


二人共

初夏であった



妹は

怠惰と傲慢の間で

うまくいかぬ世の中に

自らの命を人質に

薬を大量に飲み込んだり
繰り返し


その中で母は

憤りの上

神仏に救いを求め

得体の知れぬ

高額な

水晶やら

札やら


そんな血統であります
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