地味子の秘密 其の弐 VS金色の女狐


「杏…?

欲しいものとかある?」




あたしにだけは、優しい本当の笑顔を向けてくれる。



それが、堪らなく嬉しい♪

あたししか知らない陸の顔だしね!





「ううん……いらないよ?」


ニッコリと満面の笑みで答えた。




「おいで?」


ベッドに腰掛け

両手を広げる。



「…うん」


素直に陸の腕の中に収まる。



これが、二人の時間の始まりの合図



陸があたしを後ろから抱きしめた。



陸の腕が、あたしのお腹にまわる。



「はぁ―…疲れた…」


肩に頭を乗せて呟く。

同時に力が入る腕。


「毎日毎日……大変だよね?」



笑いながら、陸の方に体重をかける。



「…誰か代わってくれ」



よほど疲れたのか、ため息まじりに言った。
< 3 / 698 >

この作品をシェア

pagetop