お兄ちゃんといっしょ。
ver.1 ツンデレ

兄と喧嘩した。

それは今朝のことで、発端は私が朝御飯用に買っておいたヨーグルトを兄が黙って食べたことだった。

「人の物無断で食べるなんて……サイテー!!」
「お前が置きっぱなしにしてるからだろ!?嫌なら名前でも書いとけよ!!」

明らかに自分が悪い癖に、兄は謝るどころか逆ギレしてくる。
きっと自分が悪いことはわかっているのだろう。が、妹に頭を下げたくないという変な意地とプライドが、兄を謝らせないらしい。
大人気ないにもほどがある。

「一つ年下の女の子、しかも妹の物を無断で食べて謝らないなんて、大人気なさすぎ!!バカじゃないの!?最低よ!!」

まくしたてるように言い放つと、兄は言葉に詰まったようで、罰の悪そうな顔をしていた。
勝った、そう思ったが、どうやら兄はまだ敗けを認めたくないらしい。

「笑わせんなよ!?お前なんて女どころか妹とも思えねーよ!!」

ぷちんっ。

その一言に、私の中の何かが切れた。
同時に、ショックと怒り、悔しさ、何故か悲しみが押し寄せてきて、気がつけば涙をボロボロこぼしてないていた。
今、私の兄は言ってはならないことを言ったのだ。

「お兄ちゃんなんか大っ嫌い!!」

そう叫んだ直後、兄は露骨に傷ついたような顔をしていたが、知ったことではない。
私はそのまま家を飛び出し、何時もより30分ほど早い時間に学校へ足を運んだ。
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