空色幻想曲
「執事にたのんで執政官には話をとおしています。わたくしがごいっしょしても問題ないとのことですわ」

 愛らしい少女に不似あいな、たくらみ笑みを浮かべた。

「い、いつの間に、そんな勝手なことを……」

 この我を押しとおす強引さとガンコっぷりは、まちがいなく私の血縁者だ。裏で人脈使って根まわししているあたりなんか私がフェンネルと悪だくみするときの手口とそっくり。

「おじいさまも働きすぎですわ。このさい公務は若いわたくしたちにまかせて、大王さまと兄弟水いらずでゆっくりおやすみくださいな」

 大叔父様は反論の言葉も勢いも失ってがっくりとうなだれた。その姿がこの前のお祖父様とかぶっていて、気の毒だけど少しおかしかった。

 こうして『祖父vs孫娘』の対決は、孫娘の二連勝という華麗な成績を残して幕を閉じたのである。

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