ご主人サマにはヒミツの執事Romantic X'mas!
そんな調子で辿り着いたツリーのある広場。
初めて見たそのクリスマスツリーは、まるで空から星が落ちてきたような輝きを放っていて。
もしかしたら、比喩なんかじゃなくて、本当に星が落ちてきて、このツリーに光を与えたんじゃないかしら…なんて思ってしまう。
今まで、パーティで見てきたツリーも、大きくて綺麗なものだった。
だけどこれは、それとはまた違う…もっと神秘的で、もっと、素敵なもの。
わたしはキサラギの隣で、その幻想的な光を放つクリスマスツリーを見上げていた。
「……まるで夢の国にいるみたい」
「そうですね」
「…わたし、これを大好きな人と見るのが夢だったの…」
言って、ハッとした。
わたし、今、なんて……。
恐る恐るキサラギへと視線を向ける。
けれど、キサラギは驚くどころか、穏やかな笑みを浮かべていた。
「奇遇ですね。実は私も、同じようなことを思っていたんですよ」
「え…」
それって、どういう――。
驚いて固まっているわたし。
キサラギは、そんなわたしに手を伸ばす。