ガンバレ、男子!

陸と弥佳


ちひろは一体どうしたのだろう。さっきのあの態度は・・・??

俺は、ちひろの不可解な態度に戸惑っていた。

何か、まずいこと、したかなあ・・。

本当に、思い当たる節がなかった。

「陸くん!ごめん、ちょっといい?」

そうだ。笠原さんの買い物の荷物持ちだったんだ。

俺はすでに手にいっぱいの布の・・・巻いたやつ。何て言うんだろう。反物?じゃないし・・。まあ、とにかく、布を持たされていた。さらに、その上にもうひとつ追加され、ほとんど前が見えない状態になっていた。

俺は、視界の悪い中で、ちひろと啓太が楽しそうに笑いあっているのを、ちらちらと見ていた。

さっき俺には変な態度を取ったくせに、啓太には屈託ない顔で笑いかけて、じゃれあっている。

ああ、もう・・。
俺の彼女でも何でもないのに。
啓太は芳川さんが好きだってわかってるのに。
妬いてどうするんだよ、俺・・。

ため息が出た。

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