ガンバレ、男子!

「ちひろは、優しいね。」

黙って聞いていてくれた優雅が、くすっと笑ってそう言った。

「優しくなんか・・・だって、騒がれて、いい気になって、なんか、いいのかなって・・・。

自分のためにいい顔ばかりしてるんじゃないかって。そのために人を傷つけてるみたいで・・・。」

「優しすぎるし、真面目すぎるよ。一番純粋なのは、ちひろだよ。

・・・あのね、女の子たちは、ちひろに応えてもらおうなんて本気で思ってないよ。ひどい言い方かもしれないけど、恋する自分に酔っている感じ、っていうのかな。

もちろん、ちひろのことは大好きなんだと思う。でも、アイドルに恋しているみたいなもんで、本当にそれが報われると思っているわけじゃないんだよ。

別に見返りなんか期待してないよ。

ただカッコいい姿を見て、笑って手を振ってもらえたりすればいいんだよ。

それにね、ちひろだから、“ちひろさま”になれるんだって、わかってる?

容姿が整っているとかだけじゃなくて、人に対する態度とか、優しさとか、雰囲気とか・・・そういう内面も、ちゃんと見て、ちひろを選んでるんだよ。

きっと、何年後かに思い出しても、楽しい思い出になってると思うな。素敵な先輩がいてね、って。

ちひろは、そのままでいてよ。

優しくて、人のことばっかり考えてて、ノリが良くて・・・・でも、格好いい、王子なちひろでいてよ。

それが、ちひろらしいんだから。みんなも、私も、そんなちひろが、大好きなんだから・・・。」

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