禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
それに買い物したって、あたしの意見なんかない。



頭のてっぺんから足の先。



持ち物まで、全部神楽の指示通り。



いいものを与えてもらってるように見えるペットと一緒。



意見なんか言えずに、主人にされるがまま。



息苦しくないはずがない。



「そうなんだ。でも、うらやましいな。」

「どこが?」


「だって、天下の神楽グループのトップでしょ?その親戚ってだけでも、奏凛は凄いけど。」

「凄いのは神楽だし。あたしは、関係ないから。」



あたしは、飼われてるだけなんだから。



血だって繋がってない。



「またまた…。」



ツンツンと、ひじでつついてきた。

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