禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
■引き裂かれた2人■
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あの時間は幻だった?


確かに身体の中には、神楽の体温が残ってる。


それなのに…


目隠しを外したら。


そこには誰もいなかった。


本当に幻だったの?


自分でも分からない。


パタン…


控え室を出ると、ドアの横の壁にもたれながら宮埜が立ってた。
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