禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「彼ね、ベッドの中で必ず言うの…。」
ギュッとあたしの手を掴みあげた。
ニッコリと笑って。
「聞きたくない!!」
振り払おうとしてるのに。
力が強すぎて、ピクリとも動かない。
「…愛してるって。」
耳元で囁いた。
ドクンッ!!!!
何かが壊れたみたいに。
体中にひび割れていく感覚が走る。
狂ったみたいに涙が止まらなくて。
「いやぁああああ!!」
叫んで家を飛び出した。