禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
■売買■
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約束の日。



英里奈には、今日、壁の落書きを消しに行かなきゃいけないって嘘ついて。



宮埜との約束に行ってもらった。



宮埜には、適当に誤魔化してってお願いして。



当然、宮埜の携帯に神楽から連絡来ても、誤魔化してって。



あたしは、紺屋に連れて行かれて。



---そこは、どこかのビル。



エレベーターに乗ると、急に味わったことのない恐怖が襲ってきた。



神楽と同じことすればいいのに…。



どうして怖くならなきゃいけない?



自分でも不思議だった。



身体中が震えてる。





エレベーターの扉が開くときには、立ってるのがやっとなくらい。

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