禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
※会いたくない人※
**********



宮埜が隠してたのは、神楽の本心だった。



そりゃ、人から聞くよりは本人から聞きたいもんね。



そうそう、晴沢と英里奈にだけ、本当のことを話したらしい。



相当ビックリしてたみたいだけど。



この2人だったら大丈夫でしょ。



2人がいなかったら、あたしは助からなかったしね。



あと、紺屋はいつの間にか学校を辞めてた。



いつも女の子をだまして、あたしみたいに売り飛ばしてたって、宮埜が調べてくれた。



あのDVDは、宮埜がコッソリと処分してくれたみたい。



「神楽に知れたら、発狂するからな。」



…だって。



平穏な毎日が帰ってきた。



「ねえ、今日は帰り遅いの?」



髪をとかす神楽に、鏡越しに聞いた。



「多分…どうした?」

「宮埜と英里奈と遊んでくる。」



「またか?」



ムッとした顔して。

< 88 / 341 >

この作品をシェア

pagetop