DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「うそっ!? あんなにスラリとした素敵な人が!?」

リリスの見当はずれな反応に、ガーフィールドは思わず直そうとしていた本を床に落とした。

「なんじゃそりゃ……」

床に落ちた本を拾い上げながら呆れ顔で孫娘を見上げると

「だって、エリート軍人っていうから……ケルベロスって名前もそうだけど、もっとムキムキのいかつい人達かと……」

と、リリスは心底驚いた顔をしている。

「そうとは限らんじゃろう……まあ、そんなのもおるだろうが」

やれやれと、思わずため息がでた。

「ふーん……エリートなんだ……素敵ねえ……」

にもかかわらず、リリスは呑気に更にうっとりとしている。

情報屋として口先には自信のあるガーフィールドも、さすがに孫娘のこの呑気さ加減にはこれ以上何も言葉が出ず……

拾った本をカウンター下に直しこむと、リリスをドアの奥へ押し込むようにして、食事をとるため部屋へと向かった。



< 22 / 729 >

この作品をシェア

pagetop