DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「うそっ!? あんなにスラリとした素敵な人が!?」
リリスの見当はずれな反応に、ガーフィールドは思わず直そうとしていた本を床に落とした。
「なんじゃそりゃ……」
床に落ちた本を拾い上げながら呆れ顔で孫娘を見上げると
「だって、エリート軍人っていうから……ケルベロスって名前もそうだけど、もっとムキムキのいかつい人達かと……」
と、リリスは心底驚いた顔をしている。
「そうとは限らんじゃろう……まあ、そんなのもおるだろうが」
やれやれと、思わずため息がでた。
「ふーん……エリートなんだ……素敵ねえ……」
にもかかわらず、リリスは呑気に更にうっとりとしている。
情報屋として口先には自信のあるガーフィールドも、さすがに孫娘のこの呑気さ加減にはこれ以上何も言葉が出ず……
拾った本をカウンター下に直しこむと、リリスをドアの奥へ押し込むようにして、食事をとるため部屋へと向かった。