DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
激しい動悸――
「やめ……ろ……」
知らず知らずのうちに声をあげていた。
「やめろ……やめろっ……!! 俺には分からない……分からないんだ……」
激しい頭痛が襲う。
泣き喚く少女の声が、それを更に刺激した。
「やめろっ!!」
無意識のうちに、少女の喉下へ手が伸びる。
……とにかく黙らせたかった。
自分が知らない
『感情』
それを一気に叩きつけられ、アレックスはどうしようもない動揺と、知らないものへの恐れ、それを拒絶しようとするかのような体の反応に我を失いかけていた。
掴んだ少女の細い喉を絞める手に力がこもる……
喉を絞められながらも少女は呪いの言葉を吐くことをやめようとはしない。
「コロ……シテ……ヤ……」
苦しげに顔を歪ませながらも、その瞳は変わらず強烈な感情の色を失うことなくアレックスを射抜く。
「やめ……ろっ」
額から冷たい汗が流れるのを感じ、更にその手に力をこめようとした時――