D U S H ! !




「はよー」


9月1日。午前8時25分。

チャイムギリギリで校内に入ると、鮎川が門前で遅刻指導を受けていた。

2学期初日になんて馬鹿な野郎なんだ。
また髪型が決まらなかったとか言って30分ほど鏡の前に立ってたんじゃないのか。


「お、ヤマトー久しぶり」

席に着くと、シュート一味がやって来た。


確実に俺とタイプは違うのに、なぜやってくるのだろう。
まさか、パシリに使う気じゃないだろうな。


「宿題見せて。マジで進んでねえんだ。」


ほら、やっぱり。

別にいいけど。



「ドウゾ。」

「ありがと~。ほら、お礼のアメ。」

そう言ってシュート一味の一人が俺にぽんと渡したのは、棒付きキャンディ。

俺が好きなプリン味。



こんなものをパシリにはあげないよな。

俺はパシリじゃないんだ。

ただ、頼られてるんだ。





朝から感動。



< 129 / 346 >

この作品をシェア

pagetop