D U S H ! !
「はよー」
9月1日。午前8時25分。
チャイムギリギリで校内に入ると、鮎川が門前で遅刻指導を受けていた。
2学期初日になんて馬鹿な野郎なんだ。
また髪型が決まらなかったとか言って30分ほど鏡の前に立ってたんじゃないのか。
「お、ヤマトー久しぶり」
席に着くと、シュート一味がやって来た。
確実に俺とタイプは違うのに、なぜやってくるのだろう。
まさか、パシリに使う気じゃないだろうな。
「宿題見せて。マジで進んでねえんだ。」
ほら、やっぱり。
別にいいけど。
「ドウゾ。」
「ありがと~。ほら、お礼のアメ。」
そう言ってシュート一味の一人が俺にぽんと渡したのは、棒付きキャンディ。
俺が好きなプリン味。
こんなものをパシリにはあげないよな。
俺はパシリじゃないんだ。
ただ、頼られてるんだ。
朝から感動。