エリートな貴方との軌跡
スマイルキラーの考え…というか、思考回路は読めない・・・
「もぉー…、オヤジ化著しいですよ?」
ハァと溜め息ひとつを落として、ニヤリと笑う松岡さんを見れば。
「オヤジって・・・
俺より年上の旦那持って、よく言うなぁ?」
睨みつけて言い返した筈の視線ですら、格好の餌食となってしまう。
「だっ、旦那って…!…一応、まだ…」
まだ慣れない言葉に気恥かしさも手伝い、チラチラと視線を泳がせてしまった。
「あーあ…、妹取られてジェラシー感じるなぁ…」
ハハッと笑う松岡さんが、ジッーと薬指の指輪に眼を向けていると。
「…元々真帆は、俺のだろうが――」
スッと甘い声色を響かせつつ、スマイルキラーには呆れ顔を見せる彼。
「独占欲の塊ですよね、ホント…」
「褒め言葉だな、最高の…」
「ッ・・・」
フッと一笑したあと、私へと視線を変えて優しい眼差しを向けてくれて。
どうして修平さんは、絶妙なタイミングで嬉しい言葉をくれるの…?
こんなにドキドキさせられたら、ホントに眠れないじゃナイ…――