走れ!演劇クラブ2010
しかしなんだ、こんな非常識な部活にいてオレはいいのか?でも退部したら吉田のヤローが言いふらすんだろーな。オレんちにメイド様がいるって。その前に吉田を闇討してもらうか。杏香先輩に。でもあの人に頼むと後が怖いしヤッパリやめとこう。
「大樹~、帰る前にアルフ見てく?」
アルフ?
「先輩、今日は火曜だからアルフはないんじゃ。」
「そうよ。DVDで見るに決まってるでしょ?こないだ買ったんだ~。DVDコレクターズBOX。」
って、DVDで見たら帰んの何時になるんだ?
今日はちるみがおでん作ってるかもなのに。
「イヤ、その・・・今日は早めに帰りたいな~なんて。だからまたこんどってことで。」
「私からの誘いを断るってことは、デート・・・な訳ないか。どうせ大樹だし。」
確かにデートじゃないけどなんかムカつく。つーかアレだ。杏香先輩は無自覚に敵を作るタイプの人だし。
「あ、そうだ大樹。ちるみにさ、今度遊び来ていいか今日きいといて。」
「何できかにゃなんないんすか。」
「だってちるみって大樹んとこのメイド様じゃん。だからきいときなさい。」
まったく、こんな先輩を持つと後輩は苦労するもんだ。
「わかったっす。」
ん、よろしい。なんて顔でオレを見送る杏香先輩に別れを言って部屋を出た。
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