MEMORIAL ADRESS

-沙羅-

狭い部屋の中に男が5人、女が2人いた。

全員が全員煙草を吸っているせいで、部屋の中は紫煙で真っ白。

息をすることすら戸惑うくらい。



「つまんないねぇ、あいつ根性ないんだもん」



金髪のギャルが皮財布を床に叩きつけた。

それをはやし立てている男たちを横目に見て、我関せずと黙って煙草をくゆらす黒髪の女。

1人だけ制服を着ている。

桑藤女子高の制服。

黒髪は肩に付くか付かないかの長さで、見た目は線の細い綺麗系の女子高生。

それが、沙羅。

顔立ちはキツめで、友達といるときは至って無口。

そんな沙羅は、地元の暴走族を総括する総長。

沙羅本人は、もうそんなは飽きてしまっていたのだが上部の人間が沙羅を離さなかったから、未だにレディースの総長。

友達も普通の奴らじゃない。

違う系列の暴走族の人間、ギャング…

沙羅も含めて皆、悪事に於いてはプロフェッショナル。

喧嘩に負けた事はない。

単車に乗らせて走らせても、完璧。

男にもモテる。

それが、沙羅。
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