+゚☆月夜の舞姫☆゚+【短】
リリーはアレンからゆっくりと離れると、笑みを浮かべました。


「どうか……戦争が始まってしまっても、あなたは無事でいて下さい……」


「リリー……」


「アレン、愛しています……」


リリーは、アレンに背中を向けて走り出しました。


「リリーッ!!」


背中に受けるアレンの声が悲しくて、リリーの瞳から涙が零れ落ちていきます。


「さよなら……」


呟いたリリーの言葉は、夜の闇の中に溶けてしまいました。


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