Winter bell
「何か怪しい……」


眉を寄せて疑う晴稀に、満面の笑みを向ける。


「いつも言ってるやん!もしナンパされても、あたしは晴稀しか眼中にないって♪」


あたしの言葉に、彼が照れ臭そうに笑った。


「今の顔は反則やわ……」


「何が?」


悪戯っぽく微笑みながら、晴稀の瞳を見つめる。


「わかっててやってるやろ?」


「何の事?」


とぼけたあたしを見て、晴稀が苦笑を零した。


「ほんま、羅夢には敵わへんわ……」


困ったように言った彼は、ビールを一気に飲み干した。


「それはあたしの台詞!あたしは晴稀にゾッコンやもん♪」


「アホ……」


あたし達は、顔を見合わせて笑った。


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