Winter bell
「あれぇ〜?もしかして、堀川先輩じゃないですかぁ?」


不意に、あたしの後ろで耳障りな声がした。


その瞬間、何となく嫌な予感が頭の中を過ぎった。


「山本さん……」


ビールを飲んでいた晴稀は、呟きながら目を見開いた。


「偶然ですねぇ♪」


あたしは飛び切りの営業スマイルを作ってから、勢いよく振り返った。


「初めまして!松井羅夢です!晴稀が、いつもお世話になってます」


すると山本さんも、あたしに負けないような作り笑顔を見せた。


「初めましてぇ♪山本です!あたしの方こそ、堀川先輩にはいっつもお世話になってるんですよぉ〜!」


明らかに戦闘体制な言い方に、すごく苛立った。


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