Winter bell
「バッカじゃないのっ!?あははっ……!」


苛立ちが限界まで募ってカッとなっていると、山本さんはあたしを馬鹿にするように笑った。


「人をバカにするのも、いい加減にっ……!」


「羅夢さんって、全然余裕ないですねぇ〜!」


あたしの言葉を遮った山本さんが、タバコを灰皿に押し付けた。


「羅夢さんから堀川先輩を奪うのって、簡単そう!」


そして、彼女は勝ち誇ったように微笑んでから立ち上がり、あたしに耳打ちをした。


「あたしね、堀川先輩の事貰いますから。だって、彼は将来有望でしょ?」


その言葉を聞いた瞬間、あたしの中に嫌な予感が芽生えた。


だけど…


込み上げて来る怒りと不安のせいで、何も言い返せなかった。


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