Winter bell
朝方に目を覚ますと、晴稀はソファーで眠っていた。


エアコンが効いていても少しだけ肌寒いのに、彼は毛布しか着ていない。


「一緒に寝たらイイやん……」


あたしは晴稀を見つめながら、ポソッと呟いた。


彼のベッドはあたしの物とは違って大きめで、二人で眠るには充分な広さなのに…


あたしを気遣ったのか、避けたのかはわからないけど、すごく悲しくなった。


「付き合ってたら、普通は一緒に寝たりするやろ……?」


答えが返って来るハズも無いのに、眠っている晴稀に問い掛けると…


切なさが込み上げて泣き出してしまいそうになって、彼に借りたスウェットの裾をギュッと握った。


晴稀は、ほんまにあたしの事好きなんかな……


< 57 / 129 >

この作品をシェア

pagetop