Winter bell
「今日はごめんっ!!」


仕事が終わって電話を掛けて来た晴稀は、一言目にそう言った。


「何が?」


彼への不満が爆発したあたしは、つい冷たい態度を取ってしまう。


「いや、だから……。今朝……山本さんに引っ張られて……」


気まずそうにしどろもどろ話す晴稀に、更に苛立ちが募る。


「晴稀も嬉しかったんやろ?鼻の下、伸びてたやん!」


「嬉しくないって!むしろ困ってるくらいやし!」


ビール片手に強く言うと、間髪入れずに晴稀が答えた。


「じゃあ、山本さんにちゃんと言って!晴稀の彼女はあたしやって!」


そう叫びながら、あたしの瞳から涙が零れ落ちた。


嫉妬をしている自分自身が、すごく惨めだったから…。


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