Winter bell
「今日泊まってもイイ?」


「別にええけど……。お前も明日仕事やろ?帰った方がええって!」


「大丈夫!早起きするから♪」


「でも……着替えもないやろ?」


得意気に言ったけど、晴稀は戸惑っている。


「何か貸してよ♪下着はそこのコンビニで買うから!」


「いや……。でも……」


煮え切らない態度の晴稀に、苛立ちが募る。


「もうイイわ!今日は帰る!」


せっかく会っても、あたしが泊まりたいって言ったら、いつもこればかり…。


あたしはバッグを持って、立ち上がった。


「家まで送るから……」


申し訳なさそうに車の鍵を持った晴稀と一緒に、彼のアパートを出た。


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