続！イジワル王子とお姫様

ふたりの企み

――スッ。


え……？


コッチに近付いてきたナツキくん。


私の方をチラッと見たけど、そのまま通り過ぎてしまった。


ウソぉ……。


「い……伊勢谷くん。ナツキくん、怒ってる……」


「だね。でもその方が、こっちとしては都合いいかな。よし、話してくるわ」


そう言って伊勢谷くんは、ナツキくんを追いかけて走って行った。


そこへ、蝶野さんが現れる。


「あ～ら、更科さん。こんな所で浮気中？　ナツキくんが怒るのも当然よね」


蝶野さんは嫌味たっぷりにクスクス笑い、私をジロジロと見てくる。


「浮気なんかじゃありません。蝶野さんこそ、ひとの彼氏に手ぇ出すのやめて下さい！」


言った！