泣かない理由
「…え?」

暴漢Aがそちらに気をとられた隙に、私は奴との距離を詰めた。

「あ、…チマ」

蒼が何か言いかけたが、気にせず暴漢Aの顎へ、伸び上がるように肘鉄を叩き込んだ。

ゴキッといい音がして、崩れ落ちた暴漢Aが地面と熱烈キス。

意識を失った2人の暴漢を、女の人と一緒に近くの交番へ連れて行き、騒動はひとまず幕を下ろした。
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