君に捧ぐ‥



凪ちゃんは、過去にあった“沙帆”さんとの話をしてくれた。



内緒で付き合ってたことも。

付き合ってたことがバレて沙帆さんが退学、凪ちゃんは転校になったこと。

凪ちゃんのお父さんが、“沙帆さんが凪ちゃんを脅して付き合わせた”っていうことにしたこと。


凪ちゃんは、沙帆さんのことをとても愛していたということ。



全部全部、話してくれた。




「…沙帆のことは、今でも忘れられない。」



凪ちゃんが、“沙帆”という度に胸が痛くなる。


だって、とても優しい表情をしているから。




あたしは、振られるんだなと思った。










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