夢〜明日への奇跡〜(実話)
〜第16話〜 指輪
告知されてから2週間私は何も手をつけられずにいた和実に病気の事はみんなで話し合って言わない事に決まった。


ただ病室にいる間は必死に笑顔を見せて和実を安心させ家に帰ると泣いてしまうのを繰り返していた。


『麗奈今日は診察でしょ?早くしなさいね。和実君の所に行くの遅くなるわよ』
お母さんの声がした。
和実の所にも毎日連れて行ってくれる。
さすがにずっとはいないけど…。
面会時間終わりにはお父さんが迎えに来てくれる。同情なんかじゃなく本当の優しさだった。


『うん…分かった』


今日は6ヶ月検診…か。
だいぶお腹も目立ってきたしなぁ。

夢花…ママ泣いてばかりだね。パパはあんなに頑張っているのにね。。


『お母さん見て見て!こんなにはっきり夢花の姿がわかるようになったよ』

診察を終えお母さんに夢花のエコーの写真を見せた。

『あら〜可愛いわね。私に似てきっと美人よ』

『はいはい。今からそんなん孫馬鹿じゃ夢花は大変だわ(笑)』

順調だったものの夢花の身体が最近ご飯もなかなか食べなかったし睡眠も取ってなかったからか標準より小さいことを言われた。
そして厳しく先生に叱られた。

【辛いのは分かるけどお腹な中には命があること忘れちゃだめよ。あなたが食べないと赤ちゃんも食べてない事になるのよ!あなたからしか栄養取れないのよ!】

…先生の言うとおりだ。
ある意味虐待だよね

夢花…本当にごめんね
元気に生まれなきゃいけないもんね
ママ弱虫だよね。


負けないように
枯れないように
笑って咲く
花になろう…


辛い時はいつもこの歌を口ずさみ励まされていた。
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